クルマの日常点検やメンテナンスの際、ボンネットを開けることがあります。しかし、閉める際の方法を間違えると、ボンネットやロック機構に悪影響を及ぼす可能性があります。多くの人が「押し込む」方法を採用していますが、実はこれがNGなのです。適切な閉め方とその理由について解説します。
ボンネットの正しい閉め方は「落とす」こと
中古車販売店の整備士によると、ボンネットの正しい閉め方は以下の通りです。
- まず、ボンネットを閉まる位置(フックのある部分)から20cmくらいの高さまでゆっくりと下ろす
- そこからぱっと手を離し、ボンネットを落とす
この方法で閉めることで、正確にロックがかかり、スムーズに閉めることができます。一見乱暴に見えますが、高い位置から落とすことで適切な衝撃が加わり、ロックが確実にかかるのです。ただし、あまりにも高い位置から落とすのはNGで、20cmくらいの高さが適切とされています。
ボンネットを「押し込む」閉め方はNG
一方、ボンネットを上から押し込むように閉める方法は、避けた方が賢明です。整備士は次のように説明しています。
- ダンパーの付いていないボンネットの場合、押した場所がへこんだり歪んだりする可能性がある
- 万が一ボンネットがゆがんでしまうと、自分で元に戻すのは難しく、修理が必要になる
- 修理費用は数万円と高額になる可能性がある
押し込む力の入れ具合にもよりますが、ボンネットに無理な力が加わり、変形の原因となるのです。変形してしまうと、自分で直すのは困難で、高額な修理代がかかってしまいます。
ボンネットオープナーを間違えて引いてしまった場合の対処法
ガソリンを入れる際に、うっかりボンネットオープナーを引いてしまい、ボンネットが半開きの状態になってしまうことがあります。このままの状態で走行するのは大変危険です。フックから外れると、ボンネットが開いて視界の妨げになるだけでなく、走行風で大きく開いてボンネットが破損したり、フロントガラスが割れる可能性があるためです。
このような場合は、一度ボンネットを20cmほど持ち上げてから落として、しっかり閉めるようにしましょう。半開きの状態で押し込むのは避けた方が賢明です。
ボンネットの開閉は慎重に
オイル交換やウォッシャー液の補充など、クルマのメンテナンスをディーラーやカー用品店に任せている場合、ボンネットを開ける機会は少ないかもしれません。しかし、うっかりボンネットを開けてしまった際に、正しい閉め方を知っておくことは重要です。
ボンネットを押し込むのではなく、落とす方法が適切であることを覚えておきましょう。無理な力を加えると、ボンネットやロック機構に悪影響を及ぼす可能性があるからです。クルマは大切な財産ですから、ボンネットの開閉には十分気を付けましょう。